思い通りの仕上がりを実現するために・・・
ヘアカラーやパーマなど様々な薬剤を使うサロンの現場では
施術に関するすべてのプロセスに「適正」を求めます。
その精度を高めるために大切なことは
ズバリ、施術前のカウンセリングと髪のコンディションの読み込み
すなわち「毛髪診断」にあります。
なぜならサロンでパーマやカラーなどをする場合、施術前の毛髪診断で読み取った結果に基づき、
実際に施術で使う薬剤を設定したり、道具や技術を考えたりするからです。
仮にその結果が間違っていたとしたら、どんなにいい薬剤を使っても、またどんなにいい技術を持っていても、
思い通りの仕上がりにつなげられるわけではありません。
それほどに「毛髪診断」は侮れないのです。
また一方で、パーマやヘアカラー、ストレートのメニューが多様化することで、施術のアプローチも豊富になりました。
これも昨今の大きな傾向です。
そのため、一口にミドルダメージの髪と言っても、その「ダメージの質」が同じとは言えない状況が増えています。
つまりそれは
同じミドルダメージでも、髪表面のキューティクルを中心に傷んでいるダメージもあれば、
髪内部のコルテックスが特に傷んでいるダメージもあるということになります。
さらにこの場合、ダメージ度合いは一緒でも、ダメージの質が違うので、それぞれのケア方法や薬剤設定、ひいては施術の仕方までが変わってきます。
だからこそ、毛髪診断での的確な判断が重要になってくるわけです。
担当する美容師さんにはきちんと髪の施術履歴を説明してきちんと的確な施術ができるベースを一緒に築いていきましょう。
毛髪診断とは!?
具体的な毛髪診断の方法の話に入る前にまず毛髪診断について考えていきましょう
ご存知のように、毛髪診断とは一般に施術前のお客様の髪のコンディションを把握するための診断方法を言います。
診断方法の主なアプローチは
1、視診
2、触診
3、問診
の3つを合わせて診断していきます。
視診とは目視で確認した髪のコンディションの把握のこと。
(ヘアカラーのムラや切れ毛、枝毛等)
触診とは毛髪を実際に触って把握していくこと。
(熱によるカサつき、炭化や薬剤に耐えられる強度か把握できます。濡らして再確認することもあります)
問診とはお客様に直接質問を投げかけた返答からの髪のコンディション把握です。
(ブリーチや縮毛矯正、デジタルパーマ、黒染めなどいつ行ったかの把握が大切です)
髪の表面を構成し鎧の役割をする「キューティクル」と、
毛髪内部の組織「コルティックス」の毛髪部位を正しく診断をしていくことが重要になります。
素材そのものの影響は!?
同じパワーの薬剤を使って施術しても、髪質や毛量などの素材条件によってダメージの受け方は違ってきます。
正確に毛髪診断していくためにも、そうしたことを考慮しつつ視触診する必要があります。
素材条件を考慮する場合は
1、髪の硬さ
2、太さ
3、量
4、キューティクルの密度
の大きく分けて4つを考えるのがポイントです。
またこの時に、一般に「太くて硬い髪で、量も多く、キューティクルの密度も高い」髪であればあるほどケミカル処理に強い傾向があります。
熱によるダメージは別物!?
パーマ剤やヘアカラー剤などでケミカル処理された髪は、それだけでもデリケートな状態にあるもの。
そこへ高温の熱が加わると毛髪中に残留した剤の力が再活性したりすることで、髪への負担が増えることもあります。
また髪はタンパク質でできているため、熱には弱いという傾向にあります。
特に高温の熱が一定時間加わり続けた場合、毛髪はいわゆるケミカルダメージとは違う損傷の仕方になっていきます。
この時髪は、いわば生卵からゆで卵へと変化した状態(=「変性」。組織が違うものに変わってしまうこと)にあります。
そのために、ウェットにしただけで髪が軟化してしまうなど、特殊な状態になってしまうこともあります。
このように熱によるダメージは髪の組織そのものを変えてしまうのが大きな特徴です。
ですから、いわゆるケミカル処理によるキューティクルやコルテックスの損傷とは別物として考える必要があります。
ここまでは毛髪診断の序章
これからもブログで少しづつ新しい情報を書き留めていくので是非ご覧ください!